年次報告

2016年度成果(詳細はこちら)

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(Nature Photonics本年度掲載)ダイヤモンド中の窒素空孔中心(NV中心)を用い、量子テレポーテーションの原理による単一光子から単一窒素核スピンへの量子状態転写(量子テレポーテーション転写)に世界で始めて成功した。これにより、1000km級の長距離量子通信を可能とする第三世代量子中継のコアとなる基本機能を確立した。

[2]
(Nature Communications本年度掲載)ダイヤモンドNV中心の単一電子スピンの幾何学的スピンエコーに世界で始めて成功した。無磁場下で完全縮退した電子スピンの量子メモリー時間が通常の140倍伸ばせることを示し、量子メモリーの安定性と制御性の向上を図った。

[3]
(Nature Photonics掲載確定)ダイヤモンドNV中心の単一電子スピンをレーザー光で自在に、正確に操作する新原理を発見し世界で初めて実証した。マイクロワットという小さな光パワーで、従来の100倍速くかつ3倍高い精度で単一スピン操作を実現した。本成果により量子情報処理に必要な書き込み・ゲート制御・読み出しの全操作が微弱光で行え、光操作による大規模量子集積チップが実現可能となる。

[4]
長距離量子通信用量子もつれ光源として、量子メモリー結合効率を高める狭線幅2光子源の設計・開発を行った。

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量子メモリー吸収・発光波長である可視光と通信波長帯間の安定変換システム開発のため、可視光-通信波長間の2段階波長変換、および波長変換用励起レーザー周波数安定化(<1kHz)を実施した。

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半導体マイクロ共振器中量子井戸構造を用いる励起子ポラリトン凝縮高励起状態の研究を行った。凝縮閾値の100倍以上の高励起状態では、観測できるフォトルミネッセンスに下方ポラリトンの単一ピークに加えてもう一つ新しいピークが現れる事を観測し、これは従来の半導体レーザーへの移行では説明できず、この領域でもポラリトン強結合の存在が示唆される事を示した。


~今までの成果~
2015年度 小坂・堀切研究室 年次報告