研究業績

年次報告

2022年度成果

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当研究室では、光・量子技術による破壊的イノベーションの創出を目指した研究開発を行っている。

2022年度には具体的には、

  1. 当研究室が代表(PM兼PI)を務めるムーンショット型研究開発事業(目標6)の小坂プロジェクト(QuINT)では、量子コンピュータ間を量子通信で接続して分散処理化を図ることで、誤り耐性を有する大規模量子コンピュータネットワークを実現するため、超伝導量子ビットと通信用光量子ビットとの間を量子変換する量子インターフェースの研究開発を行っている。ダイヤモンドを基本プラットフォームとした量子メモリを用いることで、従来にはない高い変換効率と高忠実度の両立を目指す。東大、医科歯科大などの大学および量研機構、産総研、物材機構、NICT、理研など国研との共同研究により理論検討、材料開発、微細加工、デバイス作製、システム構築、プロトコル開発まで一貫した研究活動を行っている。本研究室では超伝導技術、マイクロ波技術、磁気共鳴技術、光集積技術などの異分野融合に取り組み、デバイス作製を牽引している。
  2. 当研究室がとりまとめ機関代表を務める総務省委託研究事業の量子中継技術プロジェクト(QuREP)では、暗号通信に用いられるビット鍵を量子力学の原理で絶対安全に配布する量子鍵配送(QKD)ネットワークの1000km級への長距離化を図るべく、量子中継器の研究開発を行っている。東芝、古河電工などの企業、東大などの大学および産総研、物材機構などの国研との共同研究により量子メモリ方式、全光方式、波長多重方式の3方式を並行して開発している。本研究室ではダイヤモンド中のNV中心などの色中心を用いた量子メモリ方式に取り組んでいる。量子中継処理の高忠実度化だけでなく、高速化が主な課題であり、量子メモリ光入出力の高効率化と小型モジュール化に取り組んでいる。
  3. 当研究室が研究代表を務める科研費基盤研究(S)では、量子コンピュータネットワークあるいは量子インターネットの到来に向け、膨大な量子情報をクラウド上に保存するための量子ストレージの研究開発を行っている。量子状態の長時間保存が可能なダイヤモンド中の炭素同位体核スピンを用いた1M量子ビット級の大規模量子ストレージを目指し、高速かつ高忠実で高分解能の光磁気アクセスと量子誤り訂正に取り組んでいる。

過去の成果

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